母は料理のとても上手な女性でした。
昔の人ですから裁縫はもちろん、女性の嗜みとしてのお花やお茶などもできましたし、絵を描くのも上手でした。
ところが、それだけ多才だったにも関わらずといいますか、だからこそなのか、料理の盛り付けがとても独特でした。
とにかく作ったら作っただけ、全量をひとつの器に盛り切るのです。
俗にいう大皿料理というのでしょうか・・・個別のお皿に盛りつけても全てが山盛りなのです。
一度だけ、ハンバーグにニンジンのグラッセとパセリを添えお皿に盛りつけられていたことがあり、そのレストランのような雰囲気にまるで奇跡をみたような衝撃を感じたことがありました。
何かの記念日だったのか覚えてはいませんが、美しい盛り付けの記憶はその一度きりです。
そんな環境で育ったせいか、はたまた遺伝なのかは分かりませんが私にもその傾向があるようで、友人に手料理を振舞ったときに「盛り付けセンス無さすぎ」と言われたことがあります。
意識してみると確かに母の盛り付けにそっくりです。
これも一種の伝承?というのでしょうか。
こんなことが無意識にもしっかり受け継がれていることが可笑しくて・・・苦笑いしつつも、こんな風に心が和らぐそんな思い出を残してくれた母に心から感謝です。
ミッションパート
佐藤真樹