今月、社内一円対話で聴福人を務めさせてもらった際の参加者は30~60代と幅広い年層。
もうすぐクリスマスということで振り出した席順テーマは「サンタクロースを何歳まで信じていたか」、信じていた期間の短い順。
しばし年長のふたりが宙を見上げ何やら渋い顔。
聞けば「私の子どもの頃にはクリスマスのシステムはなかったんじゃないかな?」と・・・。
彼の言うシステムとは、クリスマスにサンタに扮して子どもの枕元にプレゼントを置いたり、恋人や友人同士で互いにプレゼントし合うといった今では当たり前になった慣習のこと。
するともうおひとりも「私も子どものときにあまりそういう記憶がなくて・・・」と首をかしげます。
予想外の回答にちょっとビックリです。
プレゼントするという概念がないのであれば、当然サンタクロースはまだ日本にはまだいないか、馴染みが薄い存在なわけで、そうするとサンタの日本での活動が活発になったのもここ最近の話ということになります。
そこでこのサンタシステムがいつから始まったのかちょっと調べてみました。
日本で初めてサンタクロースが登場したのは、だいたい1874年(明治7年)頃だそうです。
原胤昭(はら たねあき)が築地大学(明治学院の前身)で行われたクリスマス会で、サンタクロースに扮し登場したのが始まりとのこと。
しかしサンタクロースと言っても、この時は袴にちょんまげといったお殿様のような格好をしていたようです。
このことは原胤明との談話をもとにした教文館出版の『植村正久と其の時代』その第二巻の十一章「我國に於ける最初のクリスマス」で述べられていますが、プレゼントに関する記載はありません。
ただクリスマスプレゼントが一般に浸透していったのは大正時代になってからで、当時のプレゼントの人気上位は歯磨き粉などの生活用品だったといいます。
そう思うといまのような特別感のあるクリスマスプレゼントが普通になったのも、それほど昔のことではないように思います。
サンタさんはさすがに歯磨き粉を子どもにあげたりしませんものね。
そもそも日本におけるクリスマスプレゼントの始まりは、キリスト教派の福祉団体である「救世軍」が、貧しい人々を助けるため約3万人にプレゼントを手渡したことがきっかけなのだそうです。
誰かを救うための善行がプレゼントの始まり。
クリスマスのプレゼント選びは毎年悩みながらも楽しんでいますが、そんなワクワクも貰ってくれる人がいてくれるからこそ。
いつもはメリークリスマスと言って渡すだけのクリスマスプレゼントですが、今年はありがとうの一言を添えて渡してみようかと思います。
ミッションパート
佐藤真樹