先日の初心会議の日の「モーニング」では、
酒粕を使ったクリームシチューを作りました。
カグヤではこうして月に一度の初心会議の日に
その月の担当のクルーが朝食を用意し、それを
皆でいただいて一日をスタートしています。
このような習慣・文化が会社にあるからこそ
「食」というものを見つめ直したり
「おいしい」という言葉の本当の意味を
感じ直すことが出来たり…
と、それまで料理すら殆どしたことがなかった
私にとっては、生きることの基本を思い返す
大事な実践の一つとも言えます。
そして今回、何を作ろうかと考えた時に
あらためて原点に立ち返って注目したのが
「発酵ごはん」でした。
千葉県の神崎町にある、創業340年の
自然酒の蔵元である「寺田本家」の
当主や蔵人の方が書かれている料理本。
『料理本』というよりは、「食」や「発酵」と
いうことを通して大切なことに気づかせてくれる
『生き方の本』と言うべきかもしれません。
著書の冒頭に、次のような言葉がありました。
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食事が変われば、意識が変わります。
人は台所から変わっていく。
台所を守るお母さんの手には、人を、
そして世の中を変えるすごい力があると思います。
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そんな当主の奥様のあたたかな言葉にふれ
私もただ料理をするだけでなく、これからは
「発酵ごはん」を我が家の文化にしていけるよう
台所に立っていきたいと思っています。
先日は、冬のうまいものの定番ということで
さっそく「酒粕鍋」を作ってみました。
味噌は昨年に仕込んだ自家製の味噌。
酒粕との相性は抜群で、鮭の出汁も沁み出し
心も体も温かくなる手料理です。
妻の協力と、娘のお手伝い、そして
なによりも著書との御縁や発酵を促してくれる
微生物たち自然の力によって、舌先だけでなく
体が喜ぶ「おいしい」にお鍋になりました。
次は何をつくろうか。
そんな喜びもまたごはんの醍醐味かもしれません。
ビジョンリスナー
大河内 盛友