今日は年に一度の田植えの日となりました。
あいにくの天気で例年と比べてびっくりするほど寒く、
防寒をしての作業。
私は足の指を骨折しているので作業はせず、
飯炊き班として、竈の設置のための下地作りや
炭起こしをしていました。
下地作りについて教えてもらったのは、
コンクリートの地面に直接炭をくべたりすると、
爆弾のように爆発するということがあるそうです。
まったく知らなかったので驚きでした。
調べてみると、コンクリートは水分がたくさん含まれていますが、
この水分が熱せられることにより蒸発し水蒸気となります。
水蒸気は温められるとどんどんと体積が増えていく性質があります。
しかし、コンクリートは固まっているので、
そのまま温め続けると、コンクリートの強度を超える体積になってしまいます。
その結果、コンクリートが破裂して爆発のようになるようです。
ということで、炭竈を設置するために下地を作ろうということで、
耐熱煉瓦を敷き、その上に竈を設置しました。
そして設置してみると、竈と羽釜の大きさがちょっとアンバランス?!
羽釜が大きく、竈が小さいため、熱効率が悪くなってしまいました。
そんな時は火力を高めてやればいいと、教えてもらい、
必死になってうちわであおぎ続けること1時間。
とっても美味しい玄米ご飯が炊けました。
調べてみると羽釜でお米を炊くようになったのは
江戸時代から。
庶民にお米が広く普及するのがその時代だったようです。
それまでは、お米が手に入っても「炊く」のではなく「煮る」
のが主流だったそうです。
囲炉裏に火をくべて煮ていた理由は、その当時の主食が麦や粟であったから。
これらは多くの水分でふやかし柔らかくする必要があったそうです。
この「煮る」という文化の背景には囲炉裏の火があるようです。
そして「炊く」という文化の背景には竈の火があるようです。
竈が普及してから強火で「炊く」ということが普及し、
今までの囲炉裏で煮ていた「湯取り法」から竈で炊く「炊き干し」へと
変化していったそうです。
今もよく言う
「はじめちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いても蓋とるな」
というのは、この「炊き干し」という方法なんですね。
最初は全体を弱火で温め、途中から強火で沸騰させ、
沸騰したら火から外して蒸すという、「煮る」と「蒸す」を同時に行うやり方は
日本人がどうしたらお米をおいしく食べられるかということを研究してきた
大切な智慧なんですね。
この智慧は現代の最新式の竈においても変わらない本質なのかもしれません。
今年はこれから、農作業のたびに竈でご飯を炊けたらと思いますが
また一つ一つ、行うたびに日本人の智慧やその奥深さを学んでいけたらと思います。
次は草取りですが、まず明日は田植えについてお伝えできたらと思います。
ミマモリスト
眞田 海