先日、友人に誘われ外資系の大型スーパーに出掛けました。
そこは倉庫に積み上げられた荷物をそのまま販売するというスタイルで、1アイテムが桁違いに大量でしかも安いのです。
例えばロールパンが35個で500円ちょっとだったり、環境に配慮した食器用洗剤なども3リットルで1000円弱で買えてしまいます。
20年前、初めてこのスーパーが日本にオープンしたときは、すぐに日本から撤退するだろうと思っていました。
日本の住宅事情を考えれば、一度にこんなに大量のものを買ってもストックしておくスペースに困るだろうと思ったからです。
でも予想に反し、今では全国に26店舗を展開するまでになりました。
当然この業績の要因には自社努力もありますが、実はこのような販売スタイルが根付く土壌が日本にはあるということを彼らは当初から把握していました。
日本には昔から「おすそ分け」という文化があります。
田畑で収穫した作物や山で採れた山菜などを近隣同士分け合う「お福分け」精神が育んだ、ひとつのコミュニケーション方法でもあったのだと思います。
恐らく商品が家族では消費しきれないほど大量だったとしても、日本人は友人やご近所さんとシェアすることで利益を分け合うと考えたのだろうと思います。
実際、カナダの友人は数ヶ月に一度、生活用品をまとめ買いしますが、自分の家にストックするもので他の誰かと分けるためにわざわざ買うという発想はありません。
日本ではどの商品も短期間で使い切れる量でパッケージされ、こまめに購入するスタイルが主流になっていますが、案外、それが他人と関わる必要性を失わせたのかも知れないと感じます。
いま世の中は経済的にも情勢的にも不安定で、世界のあちこちでは地震や火山の噴火といった災害も頻発しています。
自分の身に、いつ何が起こってもおかしくない時代です。
これまでの災害でも最終的に鍵となったのは「人との繋がり」でした。
世の中が、もっと他人同士が安心して関わり合えるようになったらいいですね。
ミッションパート
佐藤真樹