昨日の田植えでは、
この10年で地域の自然がどれだけ変わってきたかというお話を
お聴きしました。
10年前まではカエルもトンボも沢山いたものが、
最近ではちらほらとしか見かけなくなってしまったそうです。
カエルもトンボも自然がなければ育ちません。
あたり一面の田んぼには、ほとんどの農家が使っている農薬や
化学肥料によって、生き物が住むことが出来ない環境に
なってきています。
徐々に徐々に汚染されていく地域の田んぼ。
そして田んぼから流れる水により、河川も汚染されていくそうです。
藤崎農場では、生き物いっぱいの安心安全なお米作りをするために、
その田んぼの生態系を守り、生き物が元気に暮らせる環境を整えているため、
無農薬であるだけでなく、冬場も水が貯められていて、一年中生き物一杯の
有機物に満ちた田んぼになっています。
それは昔の日本の原風景なのかもしれません。
本来は田んぼというのは今のように河川を汚染するどころか、
水が上流から下流まで流れていくまでに、田んぼの土を通じて
窒素からなにまでを浄水する機能を備えた自然のフィルターの役割をしていたそうです。
田んぼは私たち人間の食べ物だけでなく、様々な生き物の住処でもあり、
地球自体の水を浄化していくという誰にとっても有益なものだったのかもしれません。
それが今、私たち人間が便利に大量に収穫できるようにと
田んぼの持つ役割を壊してしまっているのだとしたら、
私たちは子どもたちに何を残していくべきなのだろうかと感じます。
保育園や幼稚園、子ども園。小学校、中学校、高校、大学。
これも子どもたちが生まれて、大人になっていく流れの中である
大切な「子ども集団」が形成されている環境です。
それぞれの時期に子ども集団があることの意味と、
その意味が活かされるような状況をつくらずに、
「IQ」を伸ばすような知識に偏った教育の場として
大人が操作しては、田んぼと同じように本来持つ役割を失っていくように思います。
見守る保育を拡げていくことは、
本来持つ「子ども集団の意味」を本来のままに子どもたちへと
提供していける大切な取り組み。
改めて、子どもたちが憧れる社会を作るためにも、
一つ一つを大切にしていきたいと思います。
ミマモリスト 眞田 海