現代では冠婚葬祭はどこかの式場で行われていますが、
昔は随分と違っていたことを感じます。
祖父が亡くなった時のことをかすかな記憶から思い出すと、
自宅で行っていたことを思い出しました。
家は幕に覆われ、普段とは全く違う凛とした空気がたたずんでいて、
外では町内の人が交通整理をしていて、お勝手には親族が立ち、
来た人のおもてなしの準備をしていました。
お金を払って、式をするのではなく地域や親族皆が
一緒になって助け合って家で行われていたことを思い出します。
故人が暮らしていたその場所には、故人のいのちが刻み込まれています。
「家」で式をすることは本当の意味で故人を偲ぶということになるように感じます。
ミマモリスト 眞田 海