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鉋を深める

ひょんなことから、鉋(かんな)を深める機会を頂いています。

 

我が家にある古い大工用の鉋。

そのままでは朽ちていくだけですが、

これを普段の暮らしにかつお節削り器として復活させて、

鉋を最後まで活かせたら。。。

 

そんな思いから出会った方に鉋のことを

学んでいます。

 

古い鉋は鋼に「玉鋼」、地金は「和鉄」を使っているそうです。

 

「玉鋼」とは日本刀に使われている鉄であり、「たたら製鉄」という

日本の作り方でしかできない最高純度の鉄です。

 

いまだにこの作り方を超える鉄はありません。

 

「和鉄」はその玉鋼を溶かして鍛冶して作った錬鉄です。

 

大量生産の時代となった現代では質よりも量を優先し、

民間向けの「玉鋼」や「和鉄」は大正14年以降作られていません。

 

現在はどうしているかというと、、、

高級鉋刃の地金は生地と呼び、明治初期の鉄道の鉄橋を解体
した鉄を使い、鋼は安来鋼を使うそうです。

 

安来鋼は「玉鋼」の製法に近い現代風の作り方ですが

玉鋼のような品質にはなりません。

現在鉋鍛冶は新潟の与板で4人、兵庫の三木だけに成ったそうです。

東京にも東京鉋と言う職人も居ましたが現在は趣味で作られている方が

1人だけだそうです。

 

与板の職人は高齢で後を継ぐ者もなく東京鉋と同じく無くなるのは時間の問題
だそうです。

 

そして、大工用の鉋ではかつお節削りには使えないことが多々あるそうです。

 

大工は鉋で「木」を削りますが、かつお節は「鉄」よりも固いものです。

せっかくの大工さんが使っている高級な鉋でも、

刃の角度や鉋台を用途に合わせて作り出さなければ活かされません。

 

鉋の持つ力を引き出すには、

鉋そのものに熟知した職人の方が、特注する必要があります。

 

古いものにはそれを使いこなすのに様々な「コツ」や「智慧」が必要ですが

それは人に「コツ」や「智慧」を習得させるための道具であり環境です。

 

そして、「コツ」や「智慧」を掴めば、格段に質の高い道具の使い方が

出来るようになるわけです。

 

子どもたちに残していきたい道具。

 

簡単便利な電子レンジのようなもだけでなく、

そういった鉋のような道具もまた、暮らしの中に残していきたいなと

改めて思います。

 

 

ミマモリスト 眞田 海