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行事

日本古来の行事から学ぶ

年中行事や室礼、祭りを通して、日本古来の信仰心を取り戻したり、季節の巡りに寄り添った暮らしを味わい自然に感謝しながら、本来の行事のあり方を見直しています。

暮らし

弓太刀

昨日の緑毛氈に続き、五月人形についてです。

 

◆緑毛氈
https://www.caguya.co.jp/kurashi/53777.html

 

五月人形(鎧や兜)の横には、弓太刀(ゆみたち)と呼ばれる刀や弓などが。

 

 

これらは弓矢部分と太刀部分の二つが揃って一つの装飾品となり、決して武器として飾られているわけではなく、一般的に「邪気払い」の象徴だといいます。

 

まず、向かって左側に飾る弓矢。

 

 

弓矢は悪いもの(魔)を退治するということで「破魔(はま)」という字が当てられ、破魔矢(はまや)といいます。破魔矢は魔除けの矢として飾られます。

 

また、長い弓には降りてきた神様が宿るとされており、弓を射る時の弦の音は、魔物が嫌いな音と言われ、そこから、厄払い・魔除けの縁起物として扱われるようになり、戦いで使用するという意味ではなく、事故や災害などに遭わないためのお守りという意味で飾るそうです。

 

そして、向かって右側に飾る太刀は実戦で使う刀とは別のもので、刀より短く太くてそりが大きいのが特徴で光り輝いています。光るものを嫌う「魔」を避けるため、主に儀式で魔除けとして用いられ、五月人形にも護身具として飾られるようになったとか。

 

 

日本にかつてあった、子どもが生まれたときや嫁入りのときに短刀を贈る「守り刀」という風習や、今でもご葬儀の際に亡くなった人の胸元に短刀を置いていたり風習も、太刀には魔除けの意味があることから生まれた、大切な人を守るための風習だといいます。

 

更に、太刀を置くときは、鞘(さや)を上、手で握る柄(つか)を下にして飾り、柄が下になっているのはなんだか使いづらそうな気もしていたところ、実はこの向きで置くのにも理由があり、柄を下にしてすぐ抜けないように飾ることで、「平和で刀を抜く必要がないように」との願いが込められているのだといいます。

 

素敵ですね。^^

 

このように、どちらも攻撃的な武器だと思いきや我身を守る装備品で「我が子を悪いものから守ってくれますように」という願いを込めて飾るのに適したお道具であることが分かり、色々と知れば知る程、いかつい強めの存在感ある五月人形の見え方もなんだか変わってきており・・・

 

昔ながらの五月人形を通して、思い込みやイメージに注意することも学ばせて頂いてます。

 

かぐやかコーディネーター

宮前 奈々子


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