今年で7歳を迎えた息子の誕生日は2月末。まだ寒さが残りながらも、よく見てみると、木々たちは着々と春の準備を進めているこの季節。花の「つぼみ」を見掛けると、7年前…出産前に毎日散歩をして歩いたことを思い出します。

カグヤと出逢う前の私は「人生前倒し！」をモットーにしているかのように、それはそれは忙しなく日々を過ごしていた期間が在りました。そこから「必死に漕ぐばかりでなく、流れる景色を愉しむ生き方を。」とアドバイスをもらい、新たな人生を踏み出してから数年間。私の生き方は驚くほどに変わりました。今思えば、妊娠・出産・育児というステップを流れるように進むことが出来たのも、この数年間のおかげかもしれません。

それまでは「何時までに何をする。」と分刻みで動いていたので、道程途中にある木々や花々に目を向けたり、自分の五感を使って季節の移り変わりを見つけたりすることはありませんでした。ところが、生活・習慣が変わった途端に今まで見えなかったモノが見えてきました。

息子の誕生日が近付くたびに、花の「つぼみ」に目が留まり、その花が開く様子に気付く今。息子の成長と共に、自分の変化を改めて振り返ることが出来る機会になっています。

枝の先にある「つぼみ」は、長いことずっとエネルギーを蓄え続けて、すぐそこに迫っている春に向けて成長を遂げています。「つぼみ」に気付くだけで、同じエネルギーを少し分けてもらっているような幸せな気持ちになります。徐々に子ども達が歳を重ね、また私の生活が変わり始めても、この気持ちを失わないようにしていきたいです。

エールキーパー

秋山有紀子