先日、母が一通の手紙を見せてくれました。それは私がお世話になった卒園校が改修のため取り壊し予定であること、そしてこれを機会に校舎への感謝の会、そして亡き園長先生を偲ぶ会を知らせる手紙でした。私が卒園したのは随分昔のことであり、今は近所に住んでいる訳でもありません。私自身は、卒園と共に別の学校へ移ったこともあり、その頃のお友達との繋がりが「今」あるとは言えません。
園としても大分前に閉園して、教会学校だけが開かれていた場所。きっと卒園生は(特に私の世代になると)結婚・転勤などを経て、卒園アルバムの住所を辿ったとしても連絡が繋がらなかったはずです。それでも連絡を受けた人が、また誰かに繋ぎ、またその人が誰かに繋ぎ…こんな風に私のところまで連絡を繋げてくれたこと。手紙を見せてもらった後には、SNSを通じて昔々のお友達からも連絡をもらい、声を掛け合いながら当日再会の約束を果たせたこと。幼い頃に、お友達と出逢わせてくれた園は、大人になってもう一度私たちを惹き合わせてくれたのだと思うと、何とも言葉に表せない気持ちになります。
きっと「初めての社会」であった園生活。うっすらとした記憶しか残っていないものの、写真を眺めて思い出すと心がほっこり温かくなるのは、愛情深く見守って下さった方々がいたからなのだと思います。そしてそんな思い出の園舎に想いを寄せる卒園生が多いからこそ、こうやって再び繋がり合い「会」が開催されるのだと思います。思い出の詰まった園舎とのお別れは寂しいものがありますが、先生方の想いを引き継ぎ、大人になった私たちも繋がり合い、それぞれの場で体現していけたらと思います。
エールキーパー
秋山有紀子