家で飼っているハムスターや魚たちの餌やりは、普段は娘が担当しています。
あげる量や時間帯もだいたい決まっており、娘の生活の中で欠かせない習慣となっているのですが、
たまたま息子が一人で留守番していた時のこと。
娘と私が帰宅すると、ニコニコ顔で「餌あげておいたよ^^」という息子。
それを聞いた娘が激怒したのです。
「え…ありがとうじゃなくて?」と聞くと、「だって私がちゃんと決まった時間にあげてるんだもん!」と。
さらに、息子がハムスターにあげていたのは餌を少しとおやつをたくさん、といった具合で…
「そんなにおやつあげたら下痢して死んじゃう!」とさらに怒りはヒートアップ。
幸いハムスター自身がそんなにおやつが食べられなかったのか、ほとんど残してあったので大事には至らなかったのですが、良かれと思って行動した息子は当然ショボンとしてしまいました。
これはどちらもいたたまれないと思い、娘に「餌をあげる量と時間を教えておいてあげたら?」と提案するも、ヒートアップしている娘は、これは自分の仕事だからと譲りません。
普段生き物にそこまで興味を持たない息子が自ら行動してくれたことが親としてはとても嬉しく、私の口からは感謝の気持ちを伝えたのですが、なんだか微妙な雰囲気のままその場は終了したのでした。
ところが数日経ち、娘にも何か心情の変化があったのかもしれません。
弟に「ついてきて」と言い、グッピーとその赤ちゃん、金魚それぞれ餌が違うことと分量を教えてあげていたのです。
ハムスターの餌も、実際に餌やりをしながら「体が小さいからおやつはほとんどあげなくていいの」と教えてあげていました。
あとで娘になぜ教えてあげたのか聞いてみると、「私もおばあちゃんの家にお泊まりしていて、いないことがあるから」と。
あの時は勢いで怒ってしまったけれど、自分だけの役割にしておくことは、まわりのためにも自分のためにもよくないことだと思い直したようです。それが生き物のためになることも、ですね。
カグヤでも、今までの担当制からチーム制で動けるような仕組みを整えようと改革をしているところですが、では明日から、という風にいきなり変われるものではなく、長いスパンでの改革が必要だと感じています。
そんな中でも今回の子どもたちの姿のように、チームで動くからこそ自分だけの仕事を手放すこと、そして自分から拾いに行くことが大事なのではないかと感じています。
我が家の伝承の仕組みも少しづつ変わっていき、人も生き物も暮らしやすい家を目指すのと同じように、“クルーもお客様も居心地の良いカグヤ”にしていきたいと思っています。
美化コーディネーター
眞田 由莉