先日、あるお客様のところで最近の園長会の動向をお聴きする機会がありました。
今の保育会で盛んな取り組みとして、どの地域の園長研修などでも聞く話は、
理念構築や、クレド(信条・行動指針)については
職員が一つの目標に向かって想いをひとつにしていけるように、
ビジョンや目的とも呼べる理念を構築し、
それを実現するための具体的なクレドを作ろうというマネージメント構築が急がれている。
企業に倣えと沢山の研修やコンサルを導入する園が増えている。
そのようなお話をお聴きしました。
また、この「理念構築」が流行る中で、その理念の取り扱いや
理念に対する考え方そのものにも様々な違いが生まれてきているという話を
弊社代表の話から学びました。
理念を職員に「やらせる」、「教え込む」という目的で進んでいく理念構築は、
マネージメントの構造として、経営者が「理念構築」というプロジェクトを使って、
職員を管理するために「新たに」理念を作ろうとすることがあるといいます。
それと反対に、その組織が設立する時から、既に想いとして、
そして行動として大切にされてきた働きを振り返り、掘り下げ、
具体的な理念が分かるところまで皆で明確にしていくという
「すでにある」理念を明確にし、共有しようとする作り方もあります。
同じ理念を作っても、使われる目的も、それによる結果も全く違うことになります。
「やらされ感」の中で出来上がってくるものと
「皆が大切にしてきたもの」を明確にしていきながら出来上がってくるもの。
それが、組織におけるもっとも重要な要素として
持ち場に置かれることを思うと、「理念構築」という言葉は同じでも、
「やらせる」や「管理型」のマネージメントを行えば、
「目指す保育」の邪魔をする悪しきマネージメントとなるかもしれないと
危機感を感じました。
それは、「園が職員たちに行う構図=職員が子どもたちに行う構図」として、
無意識にその構図が職員を苦しませることになりかねません。
理念を作ることが大切なのではなく
理念が世の中、職員、子どもたち、職員、
保護者を幸せにする。その観点から立ち返る大切さを
改めて感じています。
ミマモリスト 眞田 海