ICT化の動きは時代に伴って
どんどんと進んでいます。
保育業界でも、書類の軽減ということで
ICT化を進めていることがありますが、
今日、園で学んだことは、
「ICT化の本質は人が出来ないことをやるということ」
ということでした。
最近よくあるシステムは
保育者が手書きでしていたものや打ち込んでいたものを
コピー&ペーストしたり、
監査のためにしか使っていないような書類を
年度を変えて打ち出せるようにしていたりと、
そんなような仕様が多々あります。
結局手書きもせず、考えもしなくなるので
保育の質は下がるばかり。保育者が楽になることにこだわった結果、
また別の研修をしなければならないなど、業務省力が保育の質を低下させる
本末転倒な事態に陥っていることが多々あります。
保育の質が下がるものであれば、わざわざICT化するのではなく、
書類自体をやめてしまえばよいのではないか。
保育の質に大きく関連のない書類の書き方を考え続けるよりも、
保育の質に関連する「発達」を理解することに時間を注力することの方が
よっぽど意味があるのだと教えて頂きました。
ドイツでは、書類はほとんど書かれません。
それは、業務省力の観点ではなく、子どものことを一個人の主観で
表現してはならないという観点からです。
なので、客観的な発達という観点に特化した記録になっています。
保育日誌や計画、連絡帳などに主観をつぎ込むのではなく、
子どもの発達を理解すること、今の事実としての姿、行動、心情、
興味関心という「その子の育ち」を理解するために時間とツールを使うということ。
その重要性を今日は改めて教えて頂きました。
人は土を作り土が野菜を育てるように
私たちは土づくり(環境づくり・文化づくり)が仕事ですが、
やってあげるICTから見守るICTへ。
土が喜ぶためのICTの使い方というものを考えていきたいと思います。
ミマモリスト 眞田 海