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古くからの技術

先日の八ヶ岳に行く際に、山梨県大月にある「猿橋」に寄ってみました。

 

 

この猿橋は日本三大奇橋と呼ばれているそうです。

 

何が「奇」?!と思って調べると、通常は橋といえば橋を支える橋脚が下に延びるか、もしくはつり橋のように上に柱を立ててそこから吊るのが一般的ですが、「吊り」もせずに「橋脚」で支えもせずに渓谷から高さ30メートル以上のところに橋を作ったその設置の仕方が「奇」という事の様でした。

 

 

この高さ30メートル以上の渓谷で、吊らず、橋脚で支えず、どうするか。

 

 

橋を架ける両端の岸崖に穴を掘り、長さの異なる「刎木(はねぎ)」を少しずつずらしながら4層に重ねてそれぞれ向こう岸に伸ばしていき、刎木同士で支え合いながら橋の土台を作っていったそうです。

 

 

こうして、吊らず、橋脚もなく土台が出来上がり、橋を架けることが出来たそうです。

 

なんでこんな高いところで設置が大変なところに橋を作るのだろうかと調べてみると、

橋の長さを短く、そして増水の危険からも守られる高所に立てることが出れば材料もかからず、崩壊の危険もないからという事の様でした。

 

腐食からも守るために柱には瓦が敷かれているのもまた風情がありますね。

 

 

最初に作られた年は不明とありますが、言い伝えによると610年ごろ(!!)。

そこから何度も焼失し、作り替えられて今に至るそうです。

 

そしてなんと、、調べていくと今のこの猿橋、なんと部材はすべて「鋼」。

鋼に木の板を張り付けて、基盤はコンクリートで固め、見た目は当時の形にして1984年に作り替えられたそうです。

 

見に行った時には、「これが江戸時代の技術かぁ」と感心していましたが、

今の安全基準や市の管理基準では、さすがに維持は難しかったのでしょうね。

 

しかし、「吊らず」「橋脚を使わず」に橋を架ける技術は実在するわけで、それを直に見れたのはとても有意義なことでした。

 

猿橋から見える新猿橋(国道20号)

ミマモリスト 眞田 海