先日、大分県のお客様より、
ICT化の補助金を使って、
弊社の「ロードマップ研修」を導入して頂く事となりました。
ICTの補助金で導入するものというと、
どちらかというと
「園児管理機能の付いたソフトの導入」や
「業務の簡素化」などの意味合いが強く、
ソフト導入とインフラ整備(パソコン購入やLAN環境の工事など)を
するのが一般的にお聞きするお話です。
しかし、今回お問い合わせ頂いたきっかけはこうです。
「今後の子ども園を見据えて行った時、
職員が自分自身の保育や働きを自己評価していかなくてはならない。
そんな環境が今は用意できていない。
子どもの発達一つを見るにしても、
最近のICT化のソフトを見ると、
子どもの発達課題が分からなくても、
コピー&ペーストで月案をどんどんと作ることが出来たり、
とにかく書類を作ることが目的で子どもが置き去りにされやすい。
カグヤさんだったら、
きっと子どもにとって一体どんな風にしていくのがいいのか
それを知っているだろうと思って電話をしたんですよ。」
確かに、世の中にある保育システムや保育書類を見ると、
「子どもがどこまで出来ているか。どんな状態か」
という【子どもの評価】だけで終わることが出来る形式や
「自分が気づいたところだけを記録する」
という、【主観的】な書式。
「監査に必要な書類だから出来る限り簡素化する」
という【監査目線】の書式。
そして、「とにかく書類を減らして職員の負担を減らしてあげたい」
という【職員目線】の書式。
色々なものがあります。
カグヤで大切にしているミマモリングソフトは、
「子どもが自ら出来るようになる環境を私たちが用意できているだろうか」
「子どもが自ら「今」を十分に満足できる環境を私たちが用意できているだろうか」
という、【内省的評価】が入ったものです。
もちろん、各種書類等の代替えは出来るような仕組みもありますが、
今回のICT化の補助金を受け取る為の要綱には
「それを使って保育に質が上がること」
とあります。
どんなに監査にとおっても、
どんなに書類の負担が減っても、
どんなに子どもの評価が出来ていても、
子どもの育ちと一緒に先生たちも育っていける仕組みが
そのソフトの中に確立されていること。
そして、そのソフトを保育に活かせるところまでの
サポートが付いていることが重要なのだと感じます。
そんな経緯から、今回の大分の園さまは
ソフト導入だけでなくそういったサポート研修も含めての
「ロードマップ研修」をICT化の補助金を使って導入を決めました。
そしてこのことには大きな意義があると感じます。
それは、この補助金の申請一つに対して、職員さんや園長先生方が
「自分たちの便利さや楽」よりも「子どもにとって何が最善か」
「自分たちがどう変わっていく必要があるのか」
という判断軸から悩み、考え、結論を出されたそのプロセスだと感じます。
「変わっていく事で楽しくなること」を選び、
ついでに書類も楽になっていく。
そんなプロセスに一緒になって寄り添える喜び。
こんな有難いお仕事はありません。
ミマモリスト
眞田 海