福島のお客様にお伺いさせて頂きました。
こちらの園さまの神社では、
丁度、神殿の屋根の修繕が行われていました。
柿葺(こけらぶき)と呼ばれる屋根の技法です。
椹や杉などの板を鉈を使い手割で一枚一枚割り、
30センチほどの長さの薄板を作り、
それを3センチずつずらして重ね、
竹の釘で打ち付けていくそうです。
板を作るのが機械ではなく手割の理由は板の木目を切断しないため。
水漏れすることを防ぐためという事で、
いまだにこれは職人さんにしか出来ない技術のようです。
また、機械で割ると板が平らになりすぎ、板と板の隙間がなくなり、
腐食してしまうそうです。
手割の場合は、排水と換気ができるため、
完成された技法という事で国選定保存技術に認定されています。
また、竹くぎを使う理由は
錆びないという事もそうですが、
打ち付けると頭がつぶれて釘穴を塞ぎ、
水漏れを防ぐ効果が高いのが特徴のようです。
自然に囲まれた私たち日本人が、自然から頂いた様々な智慧を
今も職人さんたちは大切に伝承しているそうです。
木を使う事は「きづかい」。板を割ることは「いたわり」。
きづかいといたわりを自然から学ぶその姿。
仕事を通して何を学び、何で自分を磨いていくのかを
決めていらっしゃるその姿。
私自身も職人の皆さんのように、
子どもから学ぶ姿勢を大切にしていきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海