妻の実家では今もなお、年末になると
夜8時ころから「消防」という集まりの元、
大人たちが地元の家々を
「火の用心」の掛け声をあげながら、
歩き回る習慣があります。
年の瀬の忙しさや、
仕事納めをして、気が緩みがちな時期だからこそ、
お互いがお互いに声を掛け合い、
気を引き締める習慣です。
さすがに今は「歩き回る」ではなく、
軽トラックに乗りながら、
ゆっくりと走り、声を掛け、
柏木を鳴らしていますが、
兎に角、-15度の中での「消防」は
寒くてたまらないですが、、、、
昔は本当に一人ひとりで歩き回っていたという事や、
一人でお墓を通ったり、各家にある「タメ(糞尿を貯める穴)」
に落ちたり、、、という事を聞くと本当に過酷な習慣です。
しかし、それでも一番気が緩みやすく、家事が起きやすい
この時期だからこそやらねばならないのだと言います。
今の時代、メールや電話や町内放送でも、
済んでしまいそうなようにも見えますが、
大切なのはそうやって住民自身が寒い思いをしてでも
「火の用心」と歩き回ること自体が、
防火の意識を育んでいるのだと感じます。
都市化するほどに、こういった習慣は消え、
消防どころか、地域の集まりも無くなり
消防の意識も防犯も、全ての責任が「個人」に課せられて行きます。
子どもたちに遺していきたい暮らしを考えた時、
やはりこの「地域」の活動という事が大切なのだと感じます。
自分自身の今住んでいる地域の活動についても
来年からは調べ、参加し、その「意識」を育む習慣や
伝統を子どもたちに伝承していけるようになりたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海