モーニングを今回担当してみて感じることがあります。
出汁を学ぶ中で、
出汁は「とる」ものではなく「引き出す」ものだと
学びました。
そして、日本料理の特徴は
「素材の味を引き出す」ということです。
そして、料理人の特徴は
「素材の味を引き立てる」ということです。
素材の味を引き出すだけなら難しくありません。
しかし、料理人というのは調理を通じて
様々な素材がそれぞれの素材の味を「引き立てる」
ようにしていかなければなりません。
どれかの素材だけが強くても料理になりません。
調和し、引き立てあい、持ち味を出し合うためには
ゆっくりと時間をかけて、水から素材を戻したり、
煮立たせなかったり、素材と素材のバランスを考えたり、
重ねる順序を考えたり、力をかけないようにしたリ
火を入れすぎないようにしたり、手間暇かけて掃除したり。
引き立てるための場づくりや
心がけ、心構えがとても重要なのだと感じます。
そう思うと日本料理には、料理を通じて自分自身を磨いてもらえたり、
先人の智慧を享受できたりと、
子どもたちに残していきたいと感じる学びが沢山詰まっています。
どれもこれもが、手早く料理を作ろうとしたら、
料理人としては省きたくなるものばかりです。
「だしのもとを使おう、」
「いっぺんに作って冷凍しておこう」
「工程を省いてしまおう」
そうすると、確かに日本料理と同じ見た目のものは出来上がりますが、
実際の中身は、、、素材同士が引き立てあっているとは言いづらいかもしれません。
先人が紡いできた「引き立てあうための智慧」も使わなくなれば廃れ、
そして次第に人々は料理を通して磨かれなくなっていくかもしれません。
これは料理に限らず仲間との働き方とも同じように感じます。
ミマモリスト
眞田 海