ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2017/11/18

「喜んでもらう」

職人さんと一緒に瓦葺をさせて頂いていると
昔、父の仕事を手伝っていた時のことを思い出します。

父は図面から大工、左官となんでも自分でやりましたが、
小学生の夏休みなど、ことあるごとに手伝いに駆り出され、
いろんな仕事を体験したことを思い出します。

父のやっている仕事を一緒に横で見て、
一緒になって手伝っていくと、
夕方には家が少しずつ建っていく。

この仕事の楽しみは、一日の働きが
具体的に形になっていくことなのだと感じます。

小学生の私は、

「あそこの家は父親が作ったんだぞ」

ということが誇りとして感じられ、
お客さんや同業者の方に父が褒められると
とてもうれしかったことを思い出しました。

昨日、屋根上で作業をしていてふと思い出した
父の言葉がありました。

「ちょっと損してでも、お客さんに喜んでもらえ」

時々にそう話していたことをすっかり忘れていました。

聴福庵での取り組みも「家が喜ぶか」という観点から
行われていますが、この「喜んでもらう」ということは
改めて大切なことのように感じます。

自分が作るものを相手が喜んでもらえるかどうかではなく、

相手が喜んでもらえるために自分はどうしてくのか。

喜んでもらうには、主軸が自分にあっては
声は正しく聴くことは難しいのだと感じます。

どんな仕事も、目の前の機会に主軸を置いていくなかで
声を聴き、自分を活かしてもらう。

そんなことを改めて大切にしていきたいと思います。

ミマモリスト
眞田 海