今日、クルーと一緒にアイヌ文化発祥の地、
二風谷にてアイヌ民芸品を作り続ける方の講演を聴きに行きました。
アイヌは文字を持たない民族です。
ですので、先住民族にも関わらず、
伝統工芸の認定を受けることが一番最後になりました。
理由は文献がないからです。
アイヌの文化継承はすべて口伝です。
物語や歌や踊り、祈り、祭り、物の作り方も全て口頭で行われます。
寝る時の子守歌やご飯を作る時の唄。祈りの儀式、
様々な知恵を暮らしに込めていたそうです。
全ては暮らしの中での「実践」を通して継承されていくもの。
それがいま、暮らしが西洋化していく中で
継承されなくなってきてしまっています。
暮らしではなく、伝統工芸という実践を通して
文化を継承しようとされているその方は、
継承されていく為には何が必要かと言う事をこうおっしゃっていました。
「まずは自分がアイヌとして生きるという事を決めるという事。」
「そしてそれを存分に楽しむこと。そうすれば、何十人かに一人かもしれないけれど、
興味を持ってくれる人がいる。それでいい。」
とにかく、自分の生き方を定め、楽しむから継承されていくのだと仰っていました。
また、
「アイヌだけで生きて行こうとなんてアイヌは思っていない。
一緒になって生きて行こうと思っている。
残していくにはみんなの協力が必要だ。一緒に守っていこうという気持ちが大切。」
また、伝承していく為に大切なこととしてこんなことも仰っていました。
「勉強するのでは伝わらない。実践の中で伝わっていく。」
これはきっと、学問では文化は継承されず、
暮らしの中で継承されていくという事なのだと感じます。
講演後の貴重なお時間に質問のお時間を頂けたこと、
有難く感じます。
頂いた言葉から実践し、深めていきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海