今日は子どもと一緒にお盆にお邪魔した
築地場内市場と「築地 伏高」さんにお伺いしてきました。
伏高さんにはお盆にお伺いした際には、
「鰹節」について学ばせていただき、
日本古来の智慧と最高峰の技術を継承し続けてきた
「薩摩節」について教えて頂きました。
http://www.caguya.co.jp/wp2/mimamolist/other/p10593/
改めてその際には、大量生産大量消費の社会に合わせた
技術改良というものと、品質とは一致しないことや
量を追求するがあまり、質を保ってきた知恵や技術が
継承されなくなってしまっている現実を教えて頂きました。
今回は、先日のモーニングで自分なりに深めた「昆布」について
学びに行くことと、夕飯の食材探しに伺いました。
昆布は全体の95パーセントが北海道で収穫されていますが、
出汁の昆布として別格視されているのが
「真昆布」
「利尻昆布」
「羅臼昆布」
「日高昆布」
です。
獲れる土地により特徴が違うというわけですが、
同じ昆布でも何よりも大きく味に違いが生まれるのが
昆布を育てた「栄養分」だそうです。
昆布は栄養分を根から吸収するのではなく
「葉」から吸収するそうなのですが、
何を吸収しているかというと、
どうやら山で作られる腐葉土の養分なのだそうです。
良好な生成場の共通点と、
不漁になった理由の共通点はそこなのだそうです。
落葉樹を伐採し、常緑樹を山に植えた土地は
良好な昆布が育たなくなってしまったそうです。
ということで、大切なのは「昆布」の名前でも「等級」でもなく、
「どこの一帯で獲れた昆布なのか」ということなようです。
そして、もう一つ大切なことを教えて頂いたのは、
「昆布は蔵で寝かせろ」ということです。
京都の料理屋では主に「利尻昆布」が使われ、
良質な利尻昆布は今や市場には出回ることはないそうです。
今でも京都の料理屋さんは購入した昆布を蔵で少なくとも1年は寝かせて
それから使っているそうです。
それは、寝かせることで旨味が熟成されるとともに、
磯臭さが減少するという両方の効果を狙っているからだそうです。
昆布も育つまでには少なくとも2年。
そして、日本料理に使われるようになるにも少なくとも1年。
手間と暇をかけて作られたものが出汁として出てくるのですね。
最近では、人工授精させた昆布を培養液に入れて短期間に成長させ
冬前に海に入れ、夏に収穫という風に一年で育て上げる方法も増えてきたそうですが、
同じような見た目でもやはり、風味も違うそうです。
かつお節と同じように、「量」に舵を切ると「質」が担保されないだけでなく、
代々引き継がれてきた「技術」や「智慧」もが消失してしまうことにつながります。
日本の食文化は今、着実に傷を負ってきているのだと実感します。
次世代に、子どもたちに残していける日本文化や智慧はいくらでもありますが、
子どもたちが「よし、これはいい!大事だ!大切にしていこう!!」
と選択できる環境が、あまりに少なすぎるのかもしれません。
まずは手前から、自分の家庭から、自分の周りから、
子どもたちが選択できる環境を自分自身が用意していけたらと思います。
ミマモリスト
眞田 海