お手伝いを終えておじいさんと話をすると、
これからのことはよくまだ決めていないと仰いました。
どこに住むのかも、大家さん自身も被災している為に話が出来ていませんでした。
同居している息子さんとのこと、体の事。色々と教えて頂きました。
それでもおじいさんは、自転車を掃除し、
「車は水に浸かるとダメだけれども、自転車はいくらでも大丈夫だからな」
と、前向きに明るい笑顔で話してくれました。
心配した私の事を元気づけてくれるような笑顔でした。
心が落ち込みそうになった私が助けてもらっているような、そんな感覚でした。
たった4時間の間の出来事でしたが、4時間でおじいさんが出会った災害から、
おじいさんのお部屋を片付けながら知っていくおじいさんの人生の歴史。
そして今後の事を語るおじいさんから教えてもらった人生観。
気が付くと本当に沢山の事をこの4時間のうちに教えてもらい、、、
なんだか深い部分までつながっているような感じがします。
そしてそれはどちらが助けた方で、こちらが助けられた方でということではなく、
本当にお互い様なのだと感じます。(色々と頂いた感覚ばかりです。)
実際に、災害時の助け合いとは、「助けること」が重要なのではなく、
「助けるプロセスで生まれる絆やお互い様」が大事なのかもしれません。
ただただ、助けたり与えたりという事ではなく、
心を寄せる体験をさせて頂くありがたい機会であったり、
学ばせて頂く、教えて頂くというお互い様に変えていく
「福」の価値観を改めて大切にしていきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海