昨日のアイヌの方々の住宅「チセ」ですが、
調べていくと、その特徴は
・1~2mの途切れない雪断熱(約10kgのグラスウールに匹敵)
・風除室(外気緩衝空間。風を直接居室に入れない工夫)
・輻射熱により体感温度は約20℃(室内温度は約5℃)
・微小連続加熱(消えない程度に火を絶やさず燃やしつづけることで、夏に暖められた土間床が秋から冷え込むことを抑える。
これにより夏の熱が地下5mに届く冬には、大蓄熱層を形成し、土間床の温度を支え、「暖房空間」としていた)
という、地熱住宅の特徴をもっていました。
夏の熱が下がらないようにする為には
ただの土だけでは難しく、アイヌ伝統の土間床づくりがあるようでした。
それは、土間の表面に葦アシを敷き詰め,その上に茅カヤで粗く編んだスノコ状のソッカラを置き,
さらにその上にキナ(ガマの葉で編んだ柔らかい敷物)を敷いてつくるそうです。
そういった床造りをしたうえで,365日火を絶やさず、
土の温度を下げないために熱を地中に補給していきます。
いろりの火の神様のことを<アペウチフチ>
または<アペカムイ>。<アペ>とは火、<フチ>はおばあちゃんだそうです。
火の神様は女の神様と考えられていて、しかも若い女性ではなく経験豊かな女性の神様。
<カムイノミ>という祈りの儀式の中心になっているのがいろりの火の神様です。
365日いろりの火、家の火を絶やさないということは、
家を暖かくするということと同時に火の神様を守るということなのだそうです。
極寒の地で自然の恩恵と共に生きる知恵。
その知恵を次世代に継いでいく為に、このチセ作り、チセ暮らしが
アイヌの方々にとっては大変重要な事であったようです。
このチセ作りのワークショップも、
年度によってはアイヌモシリ一万年祭で行われているようです。
また、アイヌモシリ一万年祭について今後は深めていきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海